お題に乗って、いつも閉じている物入れの扉を開けてみました。そこにはもう大人になった子どもたちが好きだった絵本の一部が残っているからです。そしてその上に、読み聞かせをしていた私自身が好きだった絵本も。
そのどちらの意味も込めた絵本の一冊、それが「わすれられないおくりもの」なのです。

わすれられないおくりもの 評論社
スーザン・バーレイ さく え
小川 仁央 やく
あらすじ (ネタバレにお気をつけください)
年をとったアナグマは、困っているともだちを必ず助けてあげます。でも、自分の死が近いことを察していて、みんなに「自分がいなくなっても、あまり悲しまないように」と言っていました。
ある日友達のかけっこを見ていると、無理だけど一緒に走れたらなと思いますが、楽しそうな様子を見ていると、幸せな気持ちになるのです。
その夜、アナグマが長いトンネルの中を走っている夢を見ます。そして体が軽くなり、すっかり自由になったと感じます。
翌日動物達はアナグマが死んでしまったことを知ります。
みんなの悲しみはなかなか去りません。でも各々がアナグマにしてもらった思い出話を共有していきます。
悲しみを分かち合うことででみんなの悲しみも消えていき、彼のことをお互いに楽しい思い出として話せるようになり、涙に沈んでいた心が少しずつ癒され、彼がくれた心の贈り物にお礼を言えるようになったのです。
感じたこと
誰でも経験する人との別れ。
それが大切な人程喪失感も強いことでしょう。それでも、その悲しみを分かち合える人がいることの大切さ。そしてその人と過ごした楽しかった感覚を共有できることで、悲しみを乗り越えていくことができるのだと伝えてくれているお話だと思います。
気がついたこと
今回このお話の作と絵は、同じスーザン・バーレイであると改めて気がつきました。子どもに媚びることのない、それでいて静かに優しく目から入ってくる描写が個性的だと思います。
おわりに
子ども達も自立し、後どれだけで親である私にその日がやってくるかはわかりませんが、私が長いトンネルを抜けた時、泣き暮れるだけではなく、時の流れと共に、たくさんの楽しかった思い出を振り返ってもらい、また乗り越えて笑顔で思い出話を家族そして近しい人で話し合えるような、そんな時を迎えてほしいなと今回再び手にしたことによって思わせてくれた、大切な忘れられない絵本の一冊です。





